優しい時間

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Act200の扉絵妄想
(イメージ違ったらごめんなさい。でも大好きな絵なので)

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「うん、今日はやっぱりお布団干そう!」
やっと慣れてきた新居。
だるまやさんにはずっと居たかったけれど、ファンが押しかけるようになってご迷惑をかけるようになってしまった。
事務所もセキュリティーのしっかりした所をと探してくれたし、、何より、、彼が。
キョーコはポッと頬を染める。
・・・一緒に暮らそう?
嬉しかったけど、それは今じゃないと思った。
実際、社長さんにもそれは止められた。理由はいろいろ。
「最上くんを昔と同じ状況にするつもりか?」
昔と、同じ。、、違うと思うけれど。
「俺はただ、毎日少しでも顔が見たくて。」
そう、忙しい彼と会うのは難しいから。
「結婚したら、そうなるさ。それまでの時間をちょっとぐらい胸焦がして過ごしてみろ。」
結婚、それはまだまだ先のこと。
彼がアメリカに帰れること、私がそれについていけるようになること。
それは、何度も二人で話した。
・・・今すぐにでも約束で縛ってしまいたい。
それは、私だって同じ。
だけど、彼の両親が堂々と祝えない結婚は違うと思う。

ベランダからは都内なのに緑が広がる景色。
冬の空だけれど、日差しは暖かい。
せっかくのオフ。
気持ち良く過ごせるように、掃除も丁寧に。
あとは、スーパーにお買い物に行こう。
夕飯はちょっと手間をかけられるから、何がいいかな。

彼のマンションからは至近距離。
でも、あそこのスーパーは価格が怖くて買い物できない。
ここに住んでちゃんと探せば、普通のお買い物ができるところはちゃんとある。
ハタキを手にリビングを巡れば、家具の一個一個、いちいち喧嘩しながら結局彼にプレゼントされてしまったことを思い出す。
「そんな高いもの!不相応ですから~」
「毎日、目に入るものが、ちゃんとしたものでないと成長できないよ?」
グウのねもでないって、こういうこと。

「それだけは絶対に嫌です!」
寝室。セミダブルの可愛らしいベッドを見つめて微笑む。
彼の部屋にあるような特注サイズのベッドと主張されて、それだけは断固拒否した。
「だって、俺、はみ出すよ、そのサイズ。」
「お家のベッドで寝てください。」
「泊めてくれないんだ?」
「私がお部屋に泊まりに行かなくていいんですか?」
「それに、、、大きすぎるベットは、、一人の時寂しい、から。」
ぎゅーっと抱きしめられた感触がよみがえる。

「ただいま」
深夜。
彼は、、結局こっちに来る方が多い。
しかも、ただいま、、って。
「おかえり、なさい。」
にこーって、も、もう。
「あれ?台本読んでた?」
テーブルの上に開いて伏せた台本を目敏く。
「新しくきたお話なんです。」
「、、それより、お夕飯は?」
「・・も、こんな時間だからいいよ。」
「いいよ、じゃありません!」
どさっとソファーに座り込んで、台本を読み始めてしまう。
「もう。」
キッチンに行って、スープに火を入れる。
いらないと言われるのは想定済みだから、軽い夜食は準備してある。

トレーに載せてリビングに戻ったら。
クッションに頭をのせて、寝ちゃってる?
もう、、疲れてるなら、こっちに来ちゃダメです。
干したばかりの毛布を掛けて、彼の手から落ちた台本を拾う。
きれいに整った顔、長い睫毛、さらさらの髪。
こっそり髪を撫でて。
こんな時は、なんだろう、寛いだぽかぽかした気持ちになる。
、、、でも、もうちょっとしたら、起きてもらわないと、その姿勢は良くないもの。
でも少し、見つめさせて。
隣に座り込んで、台本を見るふりして。

・・・早く、普通に一緒に暮らせますように。



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初出:2013/12/23
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