rainy

アンブレラ



「あ、、あのっ。」
キョーコはおたおたと声を上げた。

突然の雨。

とっさに走り出そうとしたキョーコを抱きすくめた蓮。

ぽたり

キョーコを愛おしげに見つめる蓮の前髪から雫が、ぽたぽたとキョーコの背におちる。

「じっとしておいで?通り雨だし、すぐ、止むよ。」

さあぁぁぁぁ
雨脚の音、ノイズ

大きな肩にすっぽり包まれて、キョーコにかかるのは、蓮から落ちる雫だけ。

「敦賀さん、びしょびしょです。」

「うん、でも君は濡れてないよね?」

「風邪ひきますよ?」

「うん、、、また、看病してもらおうかな。だから。」
蓮はぎゅうっとキョーコを更に強く抱きしめる。
「君は濡れちゃだめだから。」

夏の薄着。
濡れたら、、

さぁぁぁ

バシャバシャと慌てて走っていく人々の音。

雨はまるでカーテンのように、二人を包む。

トクトクと蓮の心臓の音は早くなっていく。
それが、キョーコの心臓の音も早くする。

ばらばらばらばら
雨脚がいっそう強くなって、なのに。

心臓の音だけがやけに響く。

どきどきどき

雨に止んで欲しいのか

雨が止んで欲しくないのか

世界に二人っきりみたいに。

雨にうたれて。


「すごく暖かいんだ。」

どきどきどき

「そ、それだと、、看病、、いらない、ですね。」

どきどきどきどき

「それはやだな。」
「こうやってずっと包んでいられたらいいのに。」

どきどきどきどき


ぽつ


キョーコの背におちる雫がゆっくりと1滴。


「あ、」

二人は顔を見合わせる。

急に晴れ渡る空。

「虹!」

手を繋いで走り出す街。





*****
情景きりとり?
蓮さんに抱きすくめられたら、濡れないよね。と。




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