maybe

anyway | by the way | INDEX
anyway・・ところで(まあとにかく、とか、それはそうと、とも)
by the way・・ところで(話変わって、とか、そういえば、とも)
maybe・・・もしかしたら


こんな所で遭遇するなんて。

キョーコは蓮が手にしたスマホを凝視してしまった。

蓮はキョーコの胸元を飾るペンダントを凝視してしまった。

「お、お疲れ様です!」
先に口を開いたのは、キョーコで。
綺麗にお辞儀する彼女の前で、スマホをどうしようか、と、蓮は一瞬戸惑って、そして握りしめた。

「おつかれさま、これから、撮影?」
「はいっ!そうなんです。敦賀さんも?」
にこっと笑うキョーコの胸元を飾るハートモチーフのペンダント。
それはあの時のものとは違うのは明らかだけれど、似たような雰囲気で。
蓮は、やっぱり似合うんだなと思い、それはどういうルートで彼女の胸元に届いたのかと、思う。

ちゃんと挨拶できたとホッとしながらも、キョーコは蓮の手元のスマホから目が離せない。
黒い革製のカバーはあの時想像した姿のまま、当然のようにその手におさまっていた。
彼女が、選んだのかしら…
似たセンスなのかな。
キョーコはどんどんと滅入る気持ちに仮面をかぶる。

「あ、これ、」

キョーコの視線を手元に感じて、蓮は口を開く。

「あ、いえ、すみません、わっ行かなきゃ。」
キョーコは慌てて先を遮る。
・・貰ったなんて聞きたくない。
・・彼女から、なんて、直接聞きたくない。

「待ってっ」
蓮はとっさにキョーコの腕を掴んでいた。

「俺には似合わない?」

「え?」

振り返ったキョーコに、蓮が見せた貌は、キョーコのイメージしている「敦賀蓮」よりは幼く、少し怖かった。

「似合わないって?」
キョーコの声が上擦る。
「これ、番組で、最上さんが薦めてたから、、買ったんだ。」

「は?」

キョーコの目は見開かれて、固まる。
・・・薦めてたから、買った?

「プレゼントじゃ、ない、んですか。」

「・・・本当は、プレゼントされたかったけど。」

蓮はふとキョーコの胸元のハートのペンダントに目を落とす。

「いや、本当は、そういうペンダント、プレゼントしたかったんだけど。」

ぼふん
キョーコは真っ赤になって、うろたえる。

「そ、そういう揶揄いは、その、やめて下さい。」

「からかってなんか、ないよ。」

「だって、敦賀さん、彼女が、、。」
ぼろり
キョーコの目から涙が溢れてしまう。

「どこでそんな話を聞いたのかは知らないけど、、君に似合いそうだって、人前で言ったのは本当だよ。」
キョーコの口から、「彼女」と漏れた瞬間に、蓮はあの迂闊な一言が噂となっていた事実を自覚した。

「わ、私だって、そのケースが似合いそうだって、思ってっ・・」
「え。」
蓮の口元がほにゃりと崩れる。
「それ、本当?」
「な、なんで私が敦賀さんにウソをつかなきゃいけないんですか!!」

ハハハッ
蓮は笑ってぐぃっとキョーコを抱きすくめた。

「なんでそんなに、笑うんですかっ!」
腕の中でキョーコがぎゅうぎゅうと蓮を押す。
「だって、こんな、こんなに幸せな気分は、おかしくて!」
キョーコの頭に顔を寄せて、それでも蓮は笑い続ける。

「降参だよ。」

「お、おかしいですっ。」
キョーコは真っ赤になったまま抱きすくめられて。
それでも、口元がほにゃりと崩れた。


maybe,
それでいいのかもしれない。

 the happy end♡



*****
笑い上戸な蓮さんもあり、かなと。
結局3話ものになっちゃいました。
たまには、こんなお話も。


web拍手 by FC2 初出:2014/9/15
anyway | by the way | INDEX
Copyright (c) 2014 moka All rights reserved.

-Powered by HTML DWARF-

inserted by FC2 system